今回は、アウトプット部門の鬼門、スピーキングです。この部分は多くの純ドメ日本人にとっては、未体験ゾーンになると思います。まずは、構成から見てみましょう。
目次
1. Speaking の問題構成
(20分) 2種類の形式、全6問で構成
Independent tasks
■問題数:2問
■時 間:準備15秒, 解答45秒Integrated tasks
■問題数:4問
(1)Read / Listen / Speak 2問
■時 間:準備30秒 解答60秒
(2)Listen / Speak 2問
■時 間:準備20秒 解答60秒
出所:ETSホームページ
2. 日本人がスピーキングを苦手とする背景
日本人はスピーキングテストが非常に苦手です。というのも、スピーキング自体、日本の教育ではほとんど真面目に扱っていませんし、他のセクションと比べて、圧倒的に累積学習時間が少ないからです。これには、日本人英語教師の中にネイティヴレベルで英会話を教えることができる人材が限られていることや、ネイティヴ講師と生徒の比率が圧倒的に低いことが考えられます。
また、日本人がスピーキングを苦手とするのは、日本の英語教育が文法を重視し過ぎたため日本人が文法間違いを過度に恐れて話さないこと、さらには、国民性として発言すること自体を遠慮することなどが、原因といえるでしょう。
この他、中国人の英語習得スピードと比べ、日本人はとても英語習得が遅いといわれています。これは、中国語と日本語の根本的な違いが主要因といえますが、この辺りは解説すると長くなりますので後日改めて記事にしようと思います。
3. スピーキングスコアが伸びにくい理由
さて、TOEFLのスピーキングに話を戻しますと、難易度といいますか、スコアが伸びにくい理由として以下が挙げられます。
1. 準備時間内に言うことがまとめきれていない
日本語で話すときと同じですが、意見がまとまっていない段階で話し始めても、途中で詰まってしまいますよね。それを英語でやるわけですから、頭が真っ白になって後は無情にも時間が過ぎていき、はい終了、となるパターンです。
2. 英語表現が出てこない
たとえ、準備時間内に考えがまとまっていたとしても、いざ話し始めたときに正しい英語表現が出てこなければ、ネイティヴには伝わりません。この辺りは英会話と同じですが、とても根が深くなかなかすぐに伸びる部分ではありません。
3. 発音が日本人訛りすぎる
TOEFLでは、基本的に北アメリカ英語を標準とし、そこに比べて訛りが強すぎると減点要因となります。正しい英語を話していても、北アメリカのネイティヴスピーカーから聞いて、何を言っているかわからないとなると減点、そんなイメージです。
4. 英語を聞き取れない又は理解できない
スピーキングセクションの解説なのに、リスニングは関係ないでしょ?と思われるかもしれませんが、実はTOEFLのアウトプットセクションでは、インプット(リーディングとリスニング)能力も同時に問われます。具体的には、上記問題構成にもあるように、Integrated Tasksといわれるセクションで以下の形式が出題されます。
・生徒同士の会話を聞いてから、片方の生徒が抱える問題の内容とその解決方法を答える問題
・学校の掲示板を読まされた後、それについての説明をリスニングした上で、問題点や自分の考えについて論じる問題
これらの形式では、そもそものインプット部分をクリア出来ていないと、何をアウトプットしてよいのかすらわからない、という事態に陥ってしまいます。
まとめ
TOEFLスピーキングにおいては、リーディングやリスニングが基盤となることを再認識いただけたかと思います。焦らず、しっかりとインプット能力を鍛えていくことが肝要ですね。
感の良い方はお気付きかと思いますが、実はライティングにおいても、同じ形式の出題(Integrated Writing)があります。詳細については、次回書かせていただきます。