前回は、海外留学に必ず必要となるTOEFLの概要について見ていきました。今回は、TOEFLの難易度について解説していきたい思います。
目次
1. 受験料とサンプル問題
世界標準の英語運用能力テストであるTOEFL。果たしてどれだけ難しいんでしょうか。一番手取り早いのは、一度受けてみることでしょう。百聞は一見にしかず、百見は一験にしかず、です。
とはいえ、受験料は一回なんとUS$235(25,000円)ですから、お試し受験もためらわれますよね。私が受けていた時は$160くらいだったような記憶がありますので、かなり値上げがなされたんですね。ETSは恐ろしくビジネスセンスがいいのかもしれません。なお、ETSはTOEICの運営会社でもあります。
お試し受験が高すぎる!という方は、ETSから公表されているTOEFLサンプルテスト、TOEFL公式問題集などを利用してイメージを掴んでみるのも良いと思います。ただし、この場合はスピーキングやライティングのスコアが出ないので、やはり実際に受験するのが、自分の立ち位置を知る最良の方法だと思います。
2. どのくらい大変?難易度は?
さて肝心の難易度ですが、TOEICに慣れているほとんどの純ドメ日本人の方にとっては、かなり難しい試験であるといえるでしょう。例えば、TOEIC800点くらいの方が事前準備せずに受けたとすると、120点満点中、60-70点程度になると思われます。公式にTOEICとTOEFLのスコア換算表なるものが公表されていますが、全くアテになりません。あれは純ドメが作ったものではなく、ネイティヴが何となく作ったものではないでしょうか。しっかり受験者の実績データから解析すれば、異なる換算表が出来上がるハズです。
2.1 日本の英語教育のマズさ
難易度が高い理由として、全てのセクションにおいて、日本の英語学習方法が全く機能しないという点が挙げられます。
日本はその独特の英語学習法開発の歴史から、文法と読解力に力点を置きすぎたため、英語を使うという視点が欠けています。そのため、悲しいことに、日本の英語教育のみで学習してきた純ドメの日本人は、TOEFLのような本格的な運用能力テストには太刀打ちできないのが実情なのです。
2.2 集中力のキープが大変
TOEFLの試験時間は4時間半(途中の10分休憩含む)です。なんとTOEICテストの2倍以上なんですね。しかも難易度はTOEICよりもはるかに上。となると、英語に相当の耐性がない限り、集中力を維持するのはほぼ不可能となります。初受験でTOEIC800点くらいのかたであれば、Readingセクション(60~80分)あたりまでは集中できたとしても、Listeningの途中でバテてしまうのではないでしょうか。
2.3 100点(120点満点中)は夢のまた夢?
多くのMBA受験において、TOEFL100点を取得していなければ書類審査でほぼ落とされてしまうのが現状です(トップMBAは105点またはそれ以上)。いわゆる暗黙のボーダーラインですね。
しかし上記を踏まえると、TOEFLで8割以上である100点を目指すなど、ほど遠い夢であるように感じてしまいますよね。でも、ご安心してください。純ドメの日本人の方でもTOEFLを攻略し、目標スコアを取ることができます。かくいう私も、一年程度でスコアを大幅に伸ばし最終的にはボーダーの105点以上を取って無事、海外トップMBAに留学することができましたので。
次回以降は、各セクションの概要と難しい点について解説してみたいと思います。