本日は、最近企業などで導入が進んできた英語テストCASECについて、簡単にまとめてみたいと思います。
CASECテストの概要
詳細については、CASECホームページを参照いただきたいのですが、CASECとは40分〜50分の試験時間で、TOEICのように個人の英語スキルをスコア化できるという英語テストで、スコアにはTOEIC換算スコアなるものも表示されます。
コンピュータアダプティブ
ちなみにこのテスト、インターネットに接続し、自身のコンピュータ上で1人で受験することになります。また、ペーパーベースで受験するTOEICと異なり、コンピューターアダプティブという形式を採用しております。これは何かと言いますと、受験者のレベルに合わせて、問題の難易度を変えていく形式のテストということです。アメリカ大学院受験に必須となるGMATでも採用されている形式で、結構厄介な代物です。というのも、最初の数問では中程度の難易度の問題からスタートしていくのですが、ここで何問か間違ってしまうと、この受験者はレベルが低いとみなされ、その後レベルの低い問題が立て続けに出されてしまい、スコアが伸びにくくなってしまうと言われています。もちろんその後の問題で挽回を図っていけばスコアも戻っていくとは思いますが、やはり最初の方の間違いを完全に挽回するには苦しいといえるでしょう。
スコアを狙われる方は十分に最初の方の問題に気をつけて進めてくださいね。
各セクションの概要
Section 1. 語彙の知識
日常生活・学校生活・ビジネスの場などに密着したシチュエーションの中で実際によく使われる、語彙の知識を測定します。
問題形式:空所補充
解答形式:4肢択一
問題数:16問
配点:250点
解答時間:60秒
文章の中に空欄があり、そこに選択肢の中から、文脈や文法上最も適切な単語を選ぶという問題です。文法と単語両面の知識が必要ですが、単語力にウェイトが置かれているようで、単語力が増えればスコアは上がるでしょう。
Section 2. 表現の知識
日常生活・学校生活・ビジネスの場などに密着したシチュエーションの会話の中で、実際によく使われる表現の知識及びその用法を測定します。
問題形式:空所補充
解答形式:4肢択一
問題数:16問
配点:250点
解答時間:90秒
パッセージの中に空欄があり、文脈に応じて最適と思われる表現を、選択肢から選ぶ問題です。イディオムや慣用表現の知識が問われており、普段から自然な英語を見聞きする機会が多いかどうかが、スコアアップの鍵となるでしょう。
Section 3. リスニングでの大意把握力
日常生活・学校生活・ビジネスの場などに密着したシチュエーションの会話やニュース・機内放送などを聞き、その内容の大意を理解する能力を測定します。
問題形式:リスニング
解答形式:4肢択一
問題数:17問
配点:250点
解答時間:60秒
このパートが日本人にとって最も難しいセクションとなるのではないでしょうか。高難易度レンジでの会話は、それなりに長いものもあり、内容も問われている問題とは関係ない部分も多く含まれているため、日本語で聞いたとしても、解答に悩むかな、と思ったセクションです。コツとしては、問題をしっかり読んで聞くポイントを絞ってから聞き始めた方が、スコアアップにつながると思います。
Section 4. 具体情報の聞き取り能力
日常生活・学校生活・ビジネスの場などに密着したシチュエーションの会話などの多い情報の中から、コミュニケーションをはかる為の、または、内容理解のキーポイントとなる具体情報を聞き取る能力を測定します。
問題形式:リスニング
解答形式:ディクテーション(書き取り)
問題数:11問
配点:250点
解答時間:120秒
ずばり、ディクテーションです。これがなぜ、英語力の測定に有効なのか、甚だ疑問ですが、テストなので仕方ありません。文章の途中に単語の数だけ空所があり、自分でタイプして埋める問題です。なお、単語数は上級レンジでも3〜5単語が多かったと記憶しています。普段からリスニングをしていれば、何ら対策は必要ないセクションといえ、難易度は低いです。しかも、三回同じ文章が読まれるので、ウッカリ聞き漏らすということもありません。
次回は、このテストのメリットとデメリットについて、受験者個人と導入会社の両面から、整理していきたいと思います。
[…] まずは、CASECテストの概要をおさらいしておきましょう。CASECとは40分〜50分の試験時間で、TOEICのように個人の英語スキルをスコア化できるという英語テストで、主に語彙力・リスニング力(ディクテーションを含む)が問われます(詳細については、過去の投稿やCASECホームページをご参照ください)。 […]